すると陽介はしっかりとした口調で言った。


「俺はお前のこと特別に思ってるから」

「とく、べつ……?」

「そう、特別」


特別ってなんだろう。


その意味を理解する前に陽介は行くぞと言って先に歩き出してしまった。


特別の意味を聞けないまま、この日は陽介の後ろ姿を追いかけていたーー。