「風川沙奈です。松江中学校出身で……中学ではバスケ部でした。これから1年間よろしくお願いします。」
きっと誰の記憶にも残らないであろうごく平凡な自己紹介。
して来たことを言うくらいしか出来なかった。
特技も趣味も全然見つからない。
だって、中学3年間バスケしかして来なかったから。
バスケを無くした自分はこんなにも何もないんだと知って私はがっくりと肩を落とした。
自分のことなのに、言えることが何もない。なんて。
「宮川麻美です。趣味はショピングをすることで、ファッションのコーディネートが大好きです。してほしい人いたら言ってください~」
「は~い!」
「さっそくかよ」
みんなは自分のことを話せているのに、自分は何も話せない。
一体自分は何をしてたんだろう。
すっかり落ち込んでしまった自己紹介はいつの間にか終わっていた。


