陽介はいつもこっちを気にして話しかけてくれる。


「練習どう?」とか「体調大丈夫か?」とか。

どうしてここまで気にかけてくれるんだろうって疑問に思うことがあるほどだった。


「それは恋じゃないの!?」

「えっ!」


声に出していないのに、泉ちゃんが突然そう言った。


「つまり恋!ひとめぼれだったのよ……」

「ごめん、泉ちゃん。何の話?」

「陽介くん?の話」


私が驚いた顔をすると、泉ちゃんはふふっと笑って言った。


「もう付き合い長いんだから~沙奈が何考えてるかくらい分かるわよ」

「泉ちゃんすごい……」


小さくつぶやけば、でしょ?と言いながら胸を張る。



「でもひとめぼれって……」


それはあり得ないと思うけどな。


陽介はなんというか、どちらかというとバスケを諦めていく人を見過ごせないお人よしみたいな感じだと思うんだよね……。