食べなれた味のハンバーグ。 その味をかみしめながら、途中涙が出そうになったのを必死にこらえた。 鼻がツンする。 向き合って、ようやく踏み出して その背中を押してくれているような味だった。 「ごちそうさまでした」 しっかりとおかわりして平らげてお母さんに聞こえる声でそう言った。 忘れない。 忘れちゃいけない。 この味、この気持ちを。 私はひとりじゃないーー。