だから、あなたの価値観を告げられる“告白”をされても、私は上手く応えられない。


私に告げられた数回の「好き」と、私が告げた数回の「ごめん」は苦い思い出。

ちゃんと応えようとは、思っている。
でも、あなたの価値観を理解しようと思わないから……結果、「ごめん」を告げることになる。



幾度か友人に勿体無いと言われたけれど、価値観を理解しようと思わない相手と付き合ったって、上手くいかないのは目に見えている。

だから、これまで付き合うというところまで発展させたことはない。
私も、他人に恋愛感情を抱くことがあったとしても、まさか告白して押し付けることはないだろう。
……そう、思っていたのに。



本当にベタな、誰もいない放課後の教室。
夕日のオレンジが教室を彩り、それなりの雰囲気を造っている。


そんなところに、私ともう1人。

お互いに向き合って、私は、


「好きです」


なんで告白なんてしているのだろう。