「お兄…ちゃ…ん?泣かないで…」

私は素早くポケットからピンク色のハンカチを出し、お兄ちゃんに渡した。

「優羽っ…」

ギュッ

いきなりお兄ちゃんに抱き締められた。

「お兄ちゃん…暖かいね~」

「優羽…俺、引っ越すんだ」

幼い私の頭の中は真っ白になった。

「お兄ちゃん…いなくなっちゃうの?」

「あぁ…」

いなくなる?