しかし、美穂の口から出たのは。 「それは、無理」 消え入りそうな声での、否定だった。 俺は、正直ショックを受けた。 いや、仕方ないんだ、これは。 さっきは謝ったけど、 ほんと俺の言うことって急だよな。 やっぱし、仲直りをちゃんとしてから、 ゆっくり、脱引き籠もりの道へ 導くべき…だったかも。 小さく反省した。 「何があっても、外には出ない。 たとえ、災害でも」 美穂はそんなことを言って、 部屋に入ろうとした。