美穂はまだ部屋から出てくる気配がなく、

ダイニングチェアに座って、母さんと話す。



「ねぇ、広樹。
美穂となにかあった?」



「あー…」



数日前、美穂にノートを買ってあげた日から、
元々会話は多くなかったが、
妙にギクシャクしてるのでそれのことだろう。



「喧嘩っぽくなった。
多分、俺が無神経だったから」



少し唇をとがらせた。





「無神経?」



「美穂に、外に出てみようって言ったら
怒られた。急にそう言われた側の
気持ち考えて発言しなかったから」



母さんは、感銘したような表情を浮かべる。



な、なんだ?