「っていうか、俺が救ってやる!」 胸が温かくなった。 こんな姉に、熱くなってくれる広樹。 でも、一方で、 心にチクリとトゲが刺さるような、 痛みも覚えた。 視界が涙の膜でうっすらと霞んでく。 「それは、無理」 冷たく言うしかなった。 広樹はせっかく手を差し伸べてくれた。 けど、突き放すしか、私にはできなかった。 広樹が言ってくれた言葉で、 あの時と、 気持ちは変わらないと、気づいたから。