「あの、私…どこかで李人さ…あ、
李人くんと会ったことあります?」
広樹と2人で柳田兄妹と遭遇した時、
なんだか…デジャヴじゃないけど、
李人くんを見たことあるような気がした。
それに、声もなんだか、
聴いたことあるような。
でも、それは思い出せなくて。
「え?ないと思うけど。
こんな可愛い子見たら忘れないし?」
「可愛くないですよ…!
気のせいかぁ」
「あー、でも心当たりあるとすれば」
李人くんは考え込むような仕草を見せる。
その間もハンバーグを
ちょこちょこ食べているけど。
「やっぱいいや。恥ずいし」
なんだったんだろう。
心なしか、李人くんの頬が
赤らんでいるように見える。
とりあえず、私の気のせいなのだろう。



