自然と、打ち解けていることに気づいた。
李人さんは、話しやすいような
なんというか温和な雰囲気を醸している。
きっと、この人、人気者なんだろうな。
「李人さんって…大学生ですか?」
「うん、バイト三昧の大学生だよ」
「バイト…」
「今はね、スーパーの店員してるよ。
賄いが凄くてさ、すげーありがたい」
李人さんがしみじみとした表情で言った時
店員さんが頼んだ食べ物を運んできた。
李人さんのイタリアンハンバーグと、
私のドリアがテーブルに置かれる。
「そういや、李人 でいいよ」
「へ?」
意味が分からずポカンとしてしまう。
また、李人さんは私を真っ直ぐ見ているので
頬が熱くなる。
この人…見れば見るほど
綺麗な顔立ちしてるなぁ。
李人、で良いって、どういうことだろう。



