別に私は鈍感じゃないし、 何となく言いたいことは分かった。 李人さんは、私を何かに誘いたいのだろう。 どうすべきか。 「暇です…けど」 決死の覚悟で口を開いた。 きっと私のこの言葉で何かが変わる。 そんな気がして。 李人さんに、委ねた。 「じゃあさぁ、どっか食べに行かない? 昼飯まだだったら」 李人さんは私の手を掴んだ。 そしてその手を、紳士のように上品に 両手で包み込んでくれる。 オヒメサマになった気分だった。 ジン、と胸に熱い何かが広がっていく。