「うん」



ヤナギダさんが照れた表情で答える。



「広樹くん、この人は私のお兄ちゃん」



「あ、えっ? あぁ」




広樹が急にシャンと体勢を整えるので、
なんだかおかしかった。



ていうかこの男の人、
ヤナギダさんのお兄さんなんだ。


顔立ちが綺麗な兄妹だなぁ。





「あの、由紀…さん?とお付き合いさせて
もらってる、相沢広樹です!」



「へぇ、確かにカッコイイね」




ニッコリと笑うヤナギダさんのお兄さん。




人当たりの良い感じで、
明るめの茶髪がよく似合っている。


片耳に入ったピアスも、
チャラいというよりかは、
バッチリ決まっていた。



そして、その声は、
どこかで聴いたことがあるような感じがした。