中学のときも、今ほどではないにしろ、
前髪が長く、低い位置で、
一本に髪をまとめていたので、
キラキラしたイメージはなかった。
メガネも掛けてたし。
それでも、美穂に好意を寄せるやつは、
多かったと思う。
「でも、広樹もカッコイイし、
お母さんも綺麗な人だったもんね?」
ごくんと、満がハンバーガーをのみ込み、
やっと聞き取れる声でしゃべる。
「俺別にそんな特別かっこ良くないけど」
「運動神経いいだろ、広樹!」
「なんだよ太一まで。否定はしないけど」
運動神経を重視するなんて、小学生っぽいぞ。
「やっぱり、一度籠もっちゃうと、
前までに戻るのは難しいんじゃないかな。
僕の友達にもいたよ、そういう子。
ちょっとしたことが原因で、
嫌になっちゃって、それから……みたいな」
「そういうもんなのか」



