「広樹ぃー?ご飯よ! 美穂も呼んできてね」 母さんの大きな声が、 2階の締め切った部屋まで きちんと聞こえる。 「はーい」 適当に返事をして、 携帯の画面を消した。 相沢広樹。 公立高校に通う1年。 特に目立った取り柄などもないので、 言ってしまえばただの凡人だ。 …まぁ、俺はな。