「あー、さっきも言ったけど、
なにか欲しいものとかある?

そんなに高くなければ買ってくるよ」




「…ノート」



消え入るような、小さい声だった。



「ノート?A4のでいい?」



「…うん、普通のでお願い」




これは────正直嬉しかった。



いや、だって、あんまり美穂、
話さないから。


血の通った双子だしな。
頼ってくれたほうが嬉しいに決まってる。



たとえ、姉が、

髪をボサボサにして
やつれてたとしても。