太一が嘆くのをスルーして、
俺らは下校する。
太一はちょこまかついてくるが、
高校からかなり近い所に住んでいるので
すぐ別れた。
「太一が連れてきたんでしょう?」
「うん」
「いつも、考え無しに動くんだから…ふふ」
由紀は可笑しそうに口元を綻ばせる。
太一と幼なじみだもんな。
「あのさ広樹くんは…
私と付き合ってから告白されたりした?」
「告白?
…うー」
「えー?されたんだー」
由紀はニヤニヤしてイジってくる。
可愛過ぎる小悪魔だ。
「もちろん、断固拒否してるからな」
向こうも俺らが付き合ってるの
知ってるからダメ元だし。



