3階の図書室。
今日の放課後は閉館日なので
開いてないはずだが、
太一曰くたまに本棚整理を
したりするらしい。
なので、不自然ではないだろう。
きっちりと閉まった図書室の扉。
その上半部の窓から
中の様子が手に取るように分かった。
カウンターの手前に立つ2人。
俺の彼女と確かにちょいワルっぽい男子。
しかしその頬は紅潮していて
ピュアな感じもする。
由紀は俯き加減で、
申し訳なさそうな、そんな雰囲気。
「おー…」
何故か感銘を受けてるような
太一をよそに、
俺はなんか、
悪いことをしてるような気分になった。



