「ごめん、寝てた?」
暗い部屋。
唯一の明かりは、PCだけで、
本当に美穂が引き籠もりだということを
実感させられる。
美穂は無言で首を振ると、
一瞬だけ顔をこちらに向けた。
その顔には、涙の跡がはっきりと見えた。
勘違いかもしれない。
…いや、違う。
目が、良く見たら腫れている。
彼女の部屋の壁は、よくわからない、
いわゆる“二次元”のキャラクターの
ポスターで埋め尽くされていた。
やたらとカッコイイ男のもあれば、
幼い女の子の水着のものもあり、
えっと、正直引く。
その部屋の中で、美穂は泣いているのか?
好きなものに埋め尽くされ、
自分で選んだ引き籠もりの道を歩み、
それで、悲しんでいるのか?



