「うぉ…くそ!やめろっ」
俺の部屋に入ると、
太一は慣れたように
俺のベッドに腰掛け(遠慮がない)、
満は床にあぐらをかいた。
満は初対面なので気を遣っているようだった。
そんな満だが、
高校は俺らの高校と隣のところらしい。
そこは進学校なので、
満は勉強ができるのだと思う。
…それで、今、
俺が短期のバイトで貯めた金で買った
Wii Uで、数種類のソフトを
回しながら遊んでいるのだが…
「ひ、ひろきぃ!それ反則だっちゅーの!」
さっきから叫ぶのは太一。
雑魚い。
「み、満まで攻めるなよ…
ああぁぁっ落ちたあぁ…!!」
太一のゲーム内で選択したアバターは、
俺らの攻撃ではなく、
自らゲーム内の地面から落ちた。
画面上からアバターが消えていく。
────ご愁傷さま。
「太一ってほんと、ゲーム音痴だな」
「リモコン振り回してるし」
満は中々の腕前で、
太一が消えたので1対1になり、
ヒットポイントは同じくらい残っている。
満もこのゲーム、持ってるのかな?



