甘い雰囲気が、俺らの間を漂う。 由紀の腕はまだ俺の背中にあって、 お互いの体温を感じられるくらい、 密着してる。 コートも着てるし、 寒いからよく分からないけど。 「広樹くん」 「なに?」 「雪、降ってきたよ」 空を見上げると、 まるで俺らを祝福するみたいに 雪が、降ってくる。 優しい雪が。 「ホワイトクリスマス、だね」 「そうだな…」