お互い恥ずかしさを捨て、
俺は、一口分掬ったスプーンを
由紀の口元に差し出し、
恥ずかしさに瞳の潤んだ由紀は、
さっきトイレかなにかでグロスが
塗り直されてて、艶っぽい唇を
オープンした。
パクリ。
由紀は俺のスプーンを咥えた。
仮とはいえ恋人として間接キスは
初めてだった。
普通に友だちとしてつき合ってた時は
無意識にしてた気がするし。
「美味しッ…。ありがとう」
初な由紀は、耳まで赤くしてる。
なんか、それだけじゃダメな気がする。
「じゃ、俺にもちょーだい。
由紀のアイス」
真顔で言うと、由紀は
片手に持ってたアイスのカップを離しかける。
っぶな。



