「いいえ〜」 ニコニコと微笑む由紀。 その笑顔はとても優しくて、 一瞬不安が過る。 それをかき消すように首を降った俺は 少し仏頂面で、 新たなモニュメントを付けていく。 そんな俺を他所に、 由紀は今の出来事を当たり前のように 流して、こう言った。 「ツリー、駅前の、 暗くなったら綺麗だよね」 「そうだな。 見に行こう」 ツリー。 そうだ、駅前のツリーのとこで、 言おう。決めたこと。 それで、やっと、“解放される”。