足を進め、 待ち合わせした時間よりちょっと早いが 由紀を探す。 「うん、大丈夫だよ。 バイバイ」 由紀の声がした。 そっちの方を見ると、 由紀は焦げ茶に染まった髪の男に 手を振っていた。 誰? 男は由紀と別れ、 改札には入らず、 駅の西口の方へ歩いて行く。 カッコイイ感じの男だった。 由紀はその男を見送り、 俺に気付く。 「広樹くん!」