「…えぇ!?」 美穂はバッと振り返り、 俺を見上げる。 メガネの奥の二重の目は見開いていて、 驚愕している。 その頬は、何故か赤らんでいた。 「ローファー忘れてたよ」 俺はしゃがんで、風呂場の美穂と 目線を合わせる。 ローファーを差し出すと、 ぎこちなく、ありがとうと 美穂は受け取った。 「風邪でも引いた?赤いけど」 「あっ、いや、ううん。 き、気にしないで…」 指摘されたことによって、 耳まで赤くなってる。 じゃあ普通に冷えてるのか。 この時期、寒いし。