よく分からないまま美穂は行ってしまった。
まぁいいか。
俺は靴を脱ぎ、部屋に直行しようとするが、
玄関に置きっぱなしの美穂のローファーを
見つけてしまう。
靴箱から出したってことは洗うんだよな。
慌てて袋に突っ込んだ靴を抱えてったから、
忘れたっぽい。
俺は美穂のあとを追うように、
小さいローファーを持って風呂場に行った。
「…ずるいよ」
そんな美穂のひとりごとが聞こえた。
風呂場ようのスリッパを履いて
風呂場に入り、靴を袋から出している美穂。
なにが『ずるい』なんだ?
ひとりごとだし言及する必要ないか
と思ったので、
「美穂」
と背中に声掛ける。



