由紀と放課後デートをしたあと、
そのまま帰宅する。
「え?」
すると
玄関にしゃがみこんでいる美穂がいた。
足元には美穂の、
前まで履いていた靴が転がっている。
どうやら美穂は、
靴箱から自分の靴を取り出しているようだった。
「あ、広樹。おかえり」
俺に気付き美穂は顔を上げてくる。
その美穂は、ボンパドールヘアで、
顔がよく見えて、スッキリしている。
表情も少し、明るくなっている。
「なにしてんの?」
「靴を洗おうと思って」
美穂は、靴箱からスニーカーを取り出し、
それが最後の靴だったのか、
靴箱の戸を閉めた。
ん?靴を洗う?



