「広樹くん…ありがとう。
でも人の髪型、こんなに簡単に
ゆわけるなんて、何者?」
由紀はシュシュに触れつつ聞いてくる。
折角買ったシュシュが目立つように
高めの位置でゆわいてみた。
何者って。
「姉がいてさ」
「お姉さん?」
「うん、小さい頃よく姉の髪を
いじって遊んでて」
小学生低学年くらいの時、
美穂の髪をゆわいて遊んでた時がある。
勿論最近はそんなことしてなかったので
上手に出来る自信はなかったけど。
理由よりも、“姉”に反応した由紀。
「お姉さん何歳なの?」
「双子だから俺と一緒」
「広樹くんって、双子なの!?
高校、別々なんだね」
俺と同じとこ受けて
受かってたんだけど引き籠もってて不登校。
と言うわけにも行かず
「まぁな」



