由紀は首を傾げながらも
横向きになり、俺に背を向ける。




初めてマトモに触る由紀の艷やかな髪は
ホワホワしていてサラサラだった。




俺はそれに手櫛して、
一本にまとめ、高めの位置へ持っていく。




由紀は俺がしたいことを理解したのか否か、
何故か項まで赤く染めている。




「できた」




由紀の即席ポニーテール。




我ながら傑作だと思う。




「!?」




由紀は鞄から折りたたみ鏡を取り出し、
髪型を確認する。




「広樹くん、ポニーテールになってるよ?!」




「似合うんじゃないかなって思って」