下北沢で電車が2分くらい停車した。
ドアからは冷たい風。
紫帆が僕の手を握った。
僕はそのままポケットに入れた。

「哲也くん、明日は予備校来る?」
「行くよ」
「よかった」
「どうして?」

ドアが閉まり、列車が走り出した。

「会えるから」
紫帆ははにかんだ。