【完】こいつ、俺のだから。





「まぁ俺が言いたかったのは、中学の頃、佐野と中原の言い合いをいつも見てたのに、高校入ってからは急にそれがなくなっちまっただろ?」



ははっと笑った楢崎の言葉に、ドキッとした。



佐野があたしと話さなくなったのは、あたしが先輩と付き合い出した頃からだ。


なぜなのかはわからない。



だけどあたしは、あえてこの内容に触れないようにしてた。




「でも最近、ふたりが付き合って、また前みたいな光景が見れて俺も嬉しいってワケよ」



「…………」




……なんとなく、この話題は気まずいぞ。



どうやら佐野も、顔を伏せてる様子。




だけど心配は無用だった。



「よーし、できた!」



「えっ!?」




このタイミングで、楢崎はプリントを全部書き終えたみたい。