もう怒った!


言わせておけば、好き勝手言いやがって!



「おうおう、そうさあたしがメドゥーサだよ!
なんなら佐野!お前を思いっきり見つめて石にしてやろうか!あぁん!?」



「ほう、言うじゃねぇか。お前にできるのかよ?おらおら、やってみろ!」



「絶対負けない!」



あたしはジーッと佐野を見つめた。


真正面から、この整った顔を見つめる。睨む。


佐野もまけじとあたしを見つめ返してきた。



……こんなやつの目に、あたしが映ってるとか、なんかホント、変な気分。




3秒経過。


佐野に変化が訪れる。


頬が少しずつ赤くなってきて、目がなんか、泳いできた。




5秒経過。


佐野はパッと恥ずかしそうに目を逸らした。



ウィナー(勝者)!!




「タララタッタラ〜♪
メドゥーサ・仁菜は、勇者・佐野に勝利した!」



思わずガッツポーズ!



「お前それ勝ったっときのBGMじゃなくてドラえもんが道具出したときの音だ、ばぁーか!」



負けてもこいつの毒舌は、変わらず健在だったようだ。