……って、そうだ。佐野の告白のせいですっかり忘れてた。
「ねぇ佐野。あたし今日、放課後、用があるから」
ちょうどいい。
佐野が目の前にいたから、簡単に用件を伝えた。
じゃれあってたふたりはピタリ、動きを止めて、あたしを見てくる。
「だから?」
「ん?」
「だから、それがなんだよ?」
だけど佐野は、いたって真面目な顔で聞いてきた。
「え、だから……先に帰っていいよって意味」
「待ってる」
即答で返事は返ってきた。
「え。でもいつ終わるかわかんないよ?遅くなるかもしれないし……」
「大丈夫だ」
「……そうですか」
佐野がいいなら、まぁいっか。
そしてやっと、みんなの出る種目が決まって、ホームルームの時間は終わっていった。


