あ、ほら。先生ショック受けた顔してんじゃん。
あれは根に持つね、きっと。
「お、俺が好きなのは……っ」
え、まだ佐野の話、続いてた。
しかもここで、好きな人をカミングアウトするの?
やるな、こいつ。
あたしは唇を震わせる佐野を見つめる。
「……なっ」
な……?
な、なんて、クラスにいたっけ?
女子で〝な〟って……、な……、中原。
え、あたしだけ?
「……楢崎だっっ!」
…………。
「…………え、俺!?」
佐野が思いっきり隣にいた楢崎を指差したから、楢崎自身も自分を指差して驚いているじゃないか。
あたしは驚いた通り越して、ポカン状態だ。
今、枯れ葉とか吹いてきたら、あたしきっと似合うよ。
枯れ葉選手権とかあれば、堂々と1位とれちゃうよ。


