「だいたい、ホームルームに担任が話してるってのに、デカイ声でDVDの話なんてすんなよな。こっちまで丸聞こえでいい迷惑だ。
ちゃんと前見て先生の話聞け!大事な話してるだろ!」
う、嘘だろ佐野……。
あんた実は、先生の味方だったのか。
人って見かけによらないな。
ほら見ろ。佐野がそんなこと言うから、先生ちょっとあんたの話聞こえてたみたいで、感動してるじゃんか。
涙ぐんでるぞ。中年オヤジのクセに。
うん、全然可愛くない。
「佐野、あんた実は先生が大好きだったんだね。
わかった。あたしも次からは話聞くよう、気をつけるよ」
「……は?な、なにキモいこと言ってるんだよ!俺があんなオヤジ好きになるワケねぇだろ!?お、おお前バカかっ!」
みるみるうちに顔を赤く染める佐野。
なに勘違いしてるんだろう、こいつは。
あたしはひとことも、先生のことを恋愛面で好きなのだろうと言ってない。
普通に分かるだろ。
てか、分かれよ。


