「…………」
……バカなのはあたしだ。これじゃ前と同じじゃない。
先輩のときも、あたしは理想を勝手に押し付けて、相手を疲れさせてしまった。
我慢させて、負担ばかりかけて。
……もう繰り返しちゃダメだ。
あの佐野が、
いつも傲慢で堂々としてる佐野が、
あたしにこうやって今、弱い部分を見せてくれたんだ。
あたしだって佐野の役に立ちたい。
弱味を見せない強い佐野も好き。
だけどあたしは、その弱った心までも欲しい。
……全部、まるごと、佐野が欲しいんだ。
もう絶対に手放したくないと思うほど、大切な人だから。


