なのにあたしと言えば、
佐野にお構いなく好き勝手してるし。
素直になれず、優しい言葉のひとつもかけてあげられてない。
……こんな女、普通ならイヤになるはずなのに、それでも佐野はそばにいてくれた。
「……佐野」
そっと、佐野の隣に行きその顔を覗き込む。
けど、
「見んな」
プイッとそっぽを向かれてしまった。
「俺今、変な顔してるから見せたくない……」
「……佐野、顔かっこいいじゃん」
「自分がかっけーのなんて知ってる」
……おい、誰かこいつ殴れ。
素直に褒めてやるんじゃなかった。
「でも……」
「?」
「でも、こんなダセー顔なんて、好きなヤツ……お前には見られたくない」
佐野はそう言って立ち上がると、ベッドの横にある窓のほうへと歩いていく。


