【完】こいつ、俺のだから。





弱々しく紡がれるその言葉に、ギュッと胸が締め付けられた。




どうしてあたしは気づいてあげられなかったんだろう?


佐野がこんなにも、不安がっていたというのに。




……思えばあたしも、過去に佐野と同じような気持ちになったことがあるじゃないか。



文化祭のとき、佐野が他の女の子に話しかけられてるだけでモヤモヤして。


前野さんと仲良くしてるときも、無性にイライラした。



急に別れを告げられたときなんて、すごく不安で怖かった。




……けど今は?



佐野と付き合ってから、佐野は本当にあたしのことを大切にしてくれる。


そばにいるだけで心地よくて、楽しくて、ずっと笑いが絶えない。



それは佐野が、あたしが不安にならないように、あたしのことを1番に考えてくれてたからじゃないか……。