「……っ、ごめん。……言い過ぎた」
すると佐野は、ポンッとあたしの頭に手を置いて、慰めるように優しく撫でる。
怒っても、こうやってすぐに許しちゃ甘いと思うんだけど……。
「とりあえず、早く飯食おうぜ。……ほら」
そっとあたしの手を引き寄せて、すぐそこに座らせた。
佐野の言われたとおりにおとなしくお弁当を開けると、隣でポツリと弱々しい言葉がつぶやかれる。
「最近、すげぇ焦るんだよ。
俺と付き合ってから、お前が笑うようになってくれたのは嬉しいけど、それと同時に周りから可愛いって言われまくってるし……」
「え……?」
「お前には笑ってほしいけど、他のヤツに見せたくねぇ。
まじキモイ俺。なにこの独占欲……」


