【完】こいつ、俺のだから。





すぐに楢崎に連れられ、あたしは騒ぎになってるそこへ向かった。



廊下の1か所で、ザワザワと人だかりができてる。




楢崎によると、佐野がなんらかの理由で一方的に戸田先輩に掴みかかったそうだ。




「すいません、よけてください!」



「あ!仁菜!」



光の声が聞こえたけど、あたしは構わず大勢の人だかりを掻き分けて前に進んで行く。



……もう、何してんのよ!





「あいつのこと傷つけんなよ!!」




そんな叫びが聞こえ、思わず進む足を止めた。



佐野の声だ……。



耳を澄まさなくてもいいくらいの声だけど、一字一句を聞き落としたくなくてあたしは目を閉じる。



全神経を佐野に向けた。




「俺が……俺があいつのこと諦めた意味ねぇじゃねぇか!
お前が今度こそあいつ幸せにするつったから身を引いたのに、なんで他の女といるんだよ……!
なんでまたあいつを裏切るんだよ……!!」