「それって必然的に、怒りの矛先あたしに向く気がするんですけど……」



「そうだな。ま、対処頑張れ」



「…………」




ふるふると震えながら、あたしは今持ってるスマホをこのまま地面に叩きつけてやろうかと思った。



彼女役であるあたしに、あんたのとりまきが勝手に恨んでくるとか、ほんっとに超いい迷惑じゃん!




……そうか。やっとわかったぞ。



佐野悠月、お前の目的がなっ!





これは罠だったんだ。



最初から、佐野が仕掛けた罠だったんだ。



あたしは不覚にも、まんまとそれにはまってしまったワケだ。




こいつに助けてもらった、あの瞬間から。