【完】こいつ、俺のだから。





佐野はいつもそうだ。



いきなり、突然、思ってもみないタイミングで願いを言ってくる。



あたしが油断してる隙に、強引に心の中に入って来るんだ。



そして、散々人の気持ちを揺らがせたあと……




……幸せにしてくれる。



……笑顔にしてくれる。






1つ目は、偽物の彼女になれ。



2つ目は、弱音を吐け。




そして、最後の命令。




1度目も2度目もそうだったように、


たぶん3度目も、佐野はあたしを戸惑わせ、あたしを救ってくれるに違いない。




偽の恋人としての期間が終わりを告げる前に、


佐野はいったい、あたしにどんな願いを言ってくるんだろうか――?









「お前、俺と別れろ」









そしてその願いは、あたしを笑顔にしてくれるんだろうか――?