【完】こいつ、俺のだから。





コクリと強く頷く。



今ではもう、迷いのないこの気持ち。




「自己中で口が悪くて、嫌味ばっかり言ってくるヤツなんですけど……
でもホントはすごく優しくて、バカみたいにまっすぐで、あたしをいつも助けてくれる……」



どんなときも、まるでそばで見守ってくれたみたいに。



「ヒーローみたいなヤツなんですけど……、ちょっとだけ不器用なとこもあって。

だから、そこはあたしが支えてあげなきゃなって思うんです」



そう言うと、先輩はふっと笑った。



「そっか」



おだやかに、目元を緩める。




「仁菜の笑顔を取り戻してくれたそいつに感謝しなくちゃ……って言いたいところだけど、正直すごくムカつくんだよね」



「え?」



先輩の表情から優しさは消え、イタズラ好きの子供みたいな無邪気さが垣間見えた。



「俺、性格悪いって言ったでしょ?

いや〜、佐野くんには昨日、ちょっと意地悪しちゃった」



その笑みは、無邪気さを超え、もはや悪魔だ。



……き、昨日ふたりの間に、いったい何があったの?