【完】こいつ、俺のだから。





「佐野って、あたしのこと好きなの?」



唐突だと思ったが、率直に聞いた。



数秒の間があった。




「…………はぁっ!?」



反応おそっ。




「お、おまっ。なな、なに言ってんだ!バカかよ!ありえねぇ!」



「ですよね」




いや、そんな慌てて否定しなくてもわかってたよ。



でもなんかね、すっごいあたしを引き止めようとしてる気がしたから、なんとなーく、もしかしたらって思って聞いてみたってわけよ。




慌ててる佐野は、なぜか顔が赤くて、恥ずかしそうに口元を手で隠してる。



イケメンだから、別に特別かっこいい動作じゃないのに似合ってる。



一呼吸おいた佐野は、落ち着きを戻したようだ。



「……頼むから。借りを返すと思って俺と付き合って」



なんと今度は、懇願された。



さっきと態度がまるで違う。