【完】こいつ、俺のだから。





もしかして、佐野って意外にうぶ……?



まじで?




そう思うと、目の前にいるこの背の高いイケメン野郎も可愛く思えた。




「ふふっ」



「……! なに笑ってんだよ」



「いや、なんでも……。わっ!」



佐野の態度に気を抜いていたら、急に手を握られた。



な、なにごと!?




「は、早く行くぞ……」



赤い顔を見せまいと、あたしをうしろにして手を引く佐野。



いったいどこへ行くんだろう?



なんだか今だけは、佐野に勝った気分だから、別にいいかなーっと思って、おとなしくついて行った。




が、



それが間違いだったのかもしれない。