「わかったらさっさと消えろ」
顔は見えない。だけどすごい威圧感があるのがわかる。
初めて聞いたかも。佐野のこんな、低い声。
……お願いだから、こんなとこでケンカしないでね。
停学とかやだよ。
佐野が、学校来れなくなるとか……。
「ちっ。他行こうぜ」
「お……おう」
幸いにも男ふたりは、舌打ちひとつ残すと、すんなりと去ってくれた。
ホッと安堵の息が漏れる。
肩の力が抜けた直後、
「何してんだよブス」
「!!」
クルッと振り返った佐野に、あたしは瞬時、強張った。
これこそ、ザ・蛇に睨まれた蛙状態だ。


