……俺はズルイヤツなんだ。
大切なことは、なにひとつ伝えられないクセに。
嘘でも、どうにかしてでも、お前が俺の彼女になれば。
そばに置けたら、お前のことつなぎとめておけるだろうって思ってた。
恋人にさえなってしまえば、ずっとお前と一緒にいられる。必ずいつか好きになってもらえるって……。
そんな保証、どこにもないのに。
それでも、こんなズルイことしないと、気が済まなかった。
お前の為じゃない。
全部、自分の為だった。
こんなのヒーローって言わねぇよな。
お前を手に入れるために、ありとあらゆる手段を使って、自分が安心したかっただけなんだ……。


