【完】こいつ、俺のだから。




あたしはできるだけ単調にまとめて、昨日の放課後の出来事を光に伝えた。



単調にまとめつつも、あたしから付き合おうなんて言ってないことは、これでもかっていうくらい強調しといたけどね。




「ふーん。あたしの知らない間に、そんなおもしろいことがあったんだ」



「どこがおもしろいの?いい迷惑だよ!」



「でもよかったじゃん。助けてもらって」



「え?」



「佐野くんのおかげで、仁菜は助かったんだから」



…………。



確かに……それは、そうだけど。




「それに、みんなが憧れるあの佐野くんだよ?なにがそんなに不服なの?」



「なっ!なにを言ってるんだ、光!」



あたしはバンッと机をたたき、立ち上がった。