「きゃー!仁菜ってば大胆!」
「あの佐野くんをGETするなんて!すごい!」
……なんで。
なんで、こんなことになってるの?
呆然としてるあたしを置き去りにして、クラス中の皆様はさぞ楽しそうで。
そのあとすぐに先生が教室に入ってきたため、みんなは自分の席についていった。
こんなにも1時間目の授業がやってくることに感動を覚えたのは、初めてだ。
「いやー。ホントにびっくりしたよ」
お昼休み。
あたしはすぐに友達の光(ひかり)のもとへと来ていた。
「だって教室についたら、みんなが仁菜と佐野くんのこと噂してたんだもん」
「だから違うって!」
否定しても、誰もまともに聞いてくれなんだから。
授業が終わる休憩時間のたびに、あたしはみんなに質問攻めされて、もうクタクタだった。


