「ちょ、ちょっと待ってみんな……!あたしと佐野は……いっ!」
〝付き合ってない〟そう言う前に、佐野に軽く足を踏まれた。
痛いっ!!
ギロッと佐野を睨む。
だけどこいつは器用なことに、あたしの足を踏みながら、友達と楽しそうに話している。
なんなんだ!?
「もう、仁菜ったら照れちゃって!」
照れてないやい!
「ねぇねぇ、どっちから告白したの!?」
もうクラスのみんなはチャカし放題だ。
こういうの苦手なんだって……。
「こいつがどうしてもって言うから、仕方なく付き合ってやった」
…………。
「はぁっ!?」
あたしは目を見開いて佐野を見た。
なに当然かのようにそんなこと言ってんの!?
あたしはその真逆を言ってたじゃないか!!
おかしいだろーがよっ!


